廃棄物資源循環学会誌 Vol.35 2024

「一般社団法人 廃棄物資源循環学」の学会誌

弊社(株式会社エイチ・カツカワ)が会員として所属している「一般社団法人 廃棄物資源循環学」の学会誌最新号の特集が『リペア・リユースと循環経済』となっています。

循環経済を実現するうえで、「修理」は重要な方法の一つです。

靴修理店シューオブライフとしては、毎日の靴修理において循環社会を標榜し実践しています。

非常に興味深い特集となっておりますので、ぜひ「一般社団法人 廃棄物資源循環学」のWEBサイトもご覧になってみてください。目からうろこの様な活動や情報が多数掲載されています。

下記は、学会誌最新号の特集の『リペア・リユースと循環経済』抜粋文です。

靴修理事業を営む者としては非常に希望が持てる内容です。

【記事抜粋】

廃棄物資源循環学会誌、Vol.35. No. 3. pp.161-166. 2024
【特集:リペア・リユースと循環経済】

アジアにおける修理する権利
現状と課題 

小島道一
【要旨】欧米での「修理する権利」に関する取り組みを受け、アジア諸国でも「修理する権利」に対する関心が高まり、法令に盛りこむ、あるいは、情報提供をする政府機関も出てきている。本稿では、アジア諸国における「修理する権利」に関する取り組みについて、国ごとに概観するとともに、「修理する権利」による長期利用が省エネルギー製品の普及を遅らせる可能性のあること。修理のための貿易に関して議論する。

1.はじめに
「修理」(Repair)は、循環経済を実現するRsの一つとして認識されている。修理は、故障・摩耗した部品や製品を修理・交換することで、び使えるようにすることである。Reike 5りは、循環経済の概念に関する論文(101本)のレビューを行い,38.のReから始まる単語を見つけ、そのうち10のReから始まる単語を循環経済の基本的な概念としてまとめている。修理(Repair)は、10の“Re”に含まれており、再販売・リユースとリファービッシュの間に位置づけられている。
また、 Russel 59は、リマニュファクチャリング、リファービッシュ、修理、リユースの4つの単語を、価値を維持するプロセス(Value-Retenion Process)と位置づけ、その違いを分析している。リユースは、製品を再使用することであり、製品の修理やりファービッシュは必要ない。修理は、製品のどこかが故障しており、元々の製品の性能を使用できるようにすることである。リファービッシュは、メンテナンスのレベルで、性能を回復させること、リマニュファクチャリングは、新品と同様、あるいは、それ以上の性能にまで引き上げることとしている。
「日本では、修理、修繕、修復、補修と、似たような単語があるが、広辞苑(第7版:2018年1月)によると、修理は「正常に機能するように手を加えること」,修繕は「(建物・器物の破損箇所などを)整え直すこと。つくろい。修復」、修復は「(老化または破損した)建造物・美術作品などを元の良い状態にすること」。補修「補いつくろうこと、手入れ」と、ほは同じ意味となっている。
「修理する権利」が注目されるようになったのは、2012年ごろからである。さきがけとして、2012年7月31日に、米国のマサチューセッツ州が制定した「自動車所有者の修理する権利法」がある。翌年には、米国で、Digital Right to Repair Coalition(のちの Repair Asso-ciation)という団体が発足し、電子機器の「修理する権利」の法制に向けたロビイングを始めている。欧州でも、
2017年に、欧州議会はEU加盟国に対して、消費者に電子機器を「修理する権利」を認める法律を制定すべきという立場を明らかにした。2020年3月に採択された。

日本貿易振興機構 アジア経済研究所
連絡先:〒 261-8545 千葉市美浜区若葉3-2-2
E-mail: Michikazu_Kojima@ide.go.ip
2024一般社団法人産物質設備環学会。

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